ちはやふる２：９話感想

団体戦の良さに気付き始める新。

今までは個人戦に備え自身を磨いてきた新。誰かの影響を受けず、完全に１人として相手にしっかり立ち向かっていける。単純な実力勝負が出来るという点では個人戦は実力者にとっては魅力的かつ真の力の場だということなんでしょう。詩暢が「団体戦？あんなのはかるたを好きやない人がやるものや」と言っていましたけど、かるたをやることにストイックに取り組む詩暢だからこそそれに余計な要素を加えている、かつ仮に真剣にやってなくてもチームとして勝つこともある団体戦は真のかるたの勝負の場として認めていないということなんでしょうね。まあおそらく彼女自身にそういう仕打ちを受けた過去があるということでしょうけど、まさに孤高のクイーンである言葉でしたね。

新も個人戦しかやらないと心に決めていたのでその言葉に特に文句を言うような考えは持っていません。詩暢はぽっちゃりの方しか知られていなかったり鳥人間コンテストを楽しみにしていたりといろいろと面白いですが、決めるところはしっかり決めてきました。どっちもとにかく自分のかるたに集中、幼い頃にしのぎを削った（と言っても新の勝ちばかりのようですが（汗））中で、同一の考えを持ってる２人ですから面白い構図ではありました。

しかしそんな新は今回替え玉という形で不本意ながら団体戦に出場することとなります。福井の代表ですが元々３人しかいないなかで１人が来れなくなったことにより誰かいないと戦わずして負けが決定。だからこそ数合わせのためだけの出場となったわけですが、当然本気でやれないので相手からも不満が伝わりもどかしい気持ち。
しかし両チームの必死さ、共有する喜びを見て新も過去を思い出します。千早、太一、新３人で団体戦をやったという思い出ですね。新も団体戦自体はしっかり経験している、そしてその良さというのも味わってはいるんですよね。今回その場にいることによってだんだんと感化されていった新は福井代表の負けが確定すると一気に本気モードに変更。仲間を活気づけるため、相手に失礼のないようにと力を出します。その結果バレるはめになるわけですが、団体戦で本気になれたというのは彼の考え方を改めるいい機会となりましたね。個人戦では味わえない仲間とのたたえ合い、喜び合いというものの良さを感じることができました。

今回のこの経験で新がこれからどう考えていくのかはまだ分かりませんけど、少なくとも団体戦に関して詩暢くらい卑下してるかのような見方はしないでしょうね。本人がやるかは難しいところですが、もしやったらそっちで対戦するっていう展開も待っているかもしれませんね。

まあそんな得るものもあった参加だったんですけど、当然替え玉参加なんて普通に考えて認められるわけがない重大なルール違反。しかるべき処置を取られることは間違いないですけどそうなると個人戦出場が危ぶまれてしまったと。新が出場できなくなるともちろん本人も寂しいですが、何より彼の再開を楽しみにしている千早や、鳥人間コンテストが中止になって気分がブルーな詩暢がさらにブルーになる事態になりますからね（汗）というかこういう展開になったら余計に詩暢の団体戦に対する考え方が下がっていくことになっちゃうかもしれないですし。
どんな判断が下されるかは分かりませんけど、当然のことでもある分何とも難しい話になってきましたね。得るものもあれば、失うものもあるのか…。

というわけで今回は新回だったわけですけど、久々に焦点があてられた中でやはり彼の回想に使われるのは子ども時代なんだなって実感。つまりは千早と太一との思い出は基本そこで止まっているわけですから、新の登場＝小学生時代の回顧になるんですよね。太一にとっては小学生時代はむしろ嫌な奴でしたし、新を挟むことでまた昔を顧みることが出来て良かったなって思いました。では。


↓押していただけると励みになります。